巻頭釘・頭巻釘|和釘の用い方

和釘の使い方についてよくお尋ねを受けます。

和釘は種類も様々でよく似たものが多く、違いがよくわからないという方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、
巻頭釘と頭巻釘が使われる箇所をご紹介します。

小澤金物店 千家数寄屋図 和釘 巻頭釘 頭巻釘                                『千家数寄屋図』(小澤金物店蔵)

これは『千家数寄屋図』に記された茶室にじり口の板戸です。

ここでも描かれている板戸の戸板を桟に打付けるのが和釘です。
(板戸部分「・」点にて表されているのが釘を打つ部分です。)

また、上資料にある「はさみ敷居」「はさみ鴨居」を固定するために、表記はないですが巻頭釘を使います。

今回の資料は茶室関係のものなのでにじり口の板戸でしたが、
古民家の雨戸や板戸ではよく用いられているのでぜひ注目してご覧になってみてください。

和釘は頭の形が特徴的で、和釘が打たれると釘頭が板の面に一定の間隔で出ることになります。

これが和釘の美しいところで魅力です。
建物や建具に一定のリズムとしまりを生むのです。

では、「巻頭釘」と「頭巻釘」の違いについてですが、それは頭の大きさの違いです。


「巻頭釘(まきがしら)」
巻頭釘  まきがしらくぎ 和釘 手打ち 火造り 和金物 和風金物 小澤金物店

「頭巻釘(かしらまき)」頭巻釘 和釘 火造り 和金物 和風金物

見比べてみると、
巻頭釘の方が頭の大きく、頭巻釘の方が小さいことがわかります。

この違いをどう使い分けるか。

それは家の主人の好みによって、あるいは大工や指物師の趣味によって異なります。

釘の機能は変わりませんが、釘の頭を目立たせ意匠的に用いるなら巻頭釘、
あまり目立たせたくない場合は頭巻釘とその場所によって使い分けるのがこの2つの釘です。

もちろん、頭の小さな頭巻釘は竹に対しては不向きということはあります。

しかし、どこにどの釘を用いてどういう効果を狙うかそれは、

その建築に携わる方次第です。

当店は和釘を種々扱っております。
寸法も形も色々ございます。

それは使われる釘一本で、空間がガラリと変わってしまうから。
その用いる空間に最も適した釘をお選びいただきたいからです。

「たかが釘、されど釘」
場にあった釘はその空間の要として、その空間をまるで鎮めるかのようにはたらきます。

ぜひ釘は選んでお使いください。
和釘各種販売しております。

 

和釘(巻頭釘・頭巻釘・替折釘等)商品一覧はこちら

 

「巻頭釘(まきがしら)」
巻頭釘 和釘 小澤金物店 和釘販売

「頭巻釘(かしらまき)」
頭巻釘 和釘 小澤金物店 和釘販売