和釘について 〜「たかが釘 されど釘」

金物屋としていつもその場にふさわしいものを提案したいと考えています。

特に「釘」については注心するところで、
和金物屋としては一本の釘にこそ心を致してお選びいただきたいです。

先日、近くのおそば屋さんがご来店くださり、金物について相談を受けお店に伺いました。

要件は無事済んだのですが、その時提案させていただいたのは靴ベラ掛けの和釘です。

和釘 折釘 手打ち

真鍮ネジ足のいわゆる洋折を手打ちの鉄の折釘に替えていただきました。

こちらのおそば屋さんは蔵を店舗にリノベーションされた和の空間の大変美しいお店です。
釘一本ではありますが、お店の雰囲気に上手く調和したと思います。

こちらは手打ちの折釘、和釘です。
和釘というと茶室の役釘や数奇屋建築で板を打つなど使う箇所が限られるように思われるかもしれませんが、今回のように身近なところでも様々にお使いいただけます。

今回、お手洗いのコートフックも納めさせていただいたのですが
取り付けられた写真も早速送って下さいました。

真鍮 コートフック

金物屋としてはこのように納まるべきところに納まってくれますと大変嬉しいです。

当店ではホームページに掲載しているもの以外にも沢山の金物がありますので
もしどんな金物が相応しいかご相談などございましたら、
現場の写真などお送りください。
ご提案させていただきます。

最後になりましたが、空間において金物は非常に力があります。
たかが一本の釘ですが、釘一本で空間の持つ印象は大きく変わります。
たかが釘、いいえ、「されど釘」という思いで楽しみながら釘をお選びいただけたらと思います。