替折釘を使って壁を打ちました。
今回、店舗西側の壁の改修にあたり、
杉板を替折釘を使った熨斗羽目張にて施工しましたのでご紹介いたします。
長年、風雪にさらされ痛んだトタン波板を解体し、
水平を出し胴縁を打っていきました。
地方にもよりますが、町家の壁は熨斗羽目(縦張り)が好まれます。
今回当店も熨斗羽目張での施工にしました。
壁に用いた材料は福井杉赤無節〜上小節の幅7寸・5分厚・4mを
替折釘1寸5分で、一段4本の割で打っていきました。
和釘を打つ際に最も大事なことは、頭を糸を張ったようにピシッと揃えることです。
そのための大事なポイントが、最後にペンチで頭を整えてから打ち込むことです。
下穴を開けることはもちろんですが、
打っているとどうしても多少曲がってしまうので、
頭の傾きを整えることで横方向も揃って仕上げることができます。
なんとか打ち終えることができました。
木を洋釘で止めただけとは異なり、和釘の頭の並びが壁に締りとリズムを生みます。
今後、替折釘はだんだんと錆が出てきます。
しかしその雨に垂れた錆が自然の景色でもあり、
釘を太らすことにもなり釘自体強く締まっていきます。
仕上げに下から2尺程のところまで桐油を塗りました。
桐油は天然油の中でも硬い油で、木に馴染んで表面をコーティングし
防水によく働きます。
雨がかかったり弾いたりするとどうしても痛みます。
しかし、出来るだけ科学的なものは使いたくないので桐油を選びました。
これからも、梅雨前と日本海側ですので冬の前には桐油を塗って手入れをしていきたいと考えています。