数寄屋の金具
数寄屋と言うと皆さんはどのような建物を思い浮かべるでしょうか。
和風の伝統的な建物でしょうか。
単に申しますと、それは様々な趣向を凝らした家のことでありましょう。
「数寄」の語源には色々な説がありますが、その一つは「数を寄せる」ということです。
一つ「茶の湯」を例に挙げると、茶の湯には数多くの道具が必要です。
しかし、数を所有することだけでは茶の湯は成り立たない。
それら道具の取り合わせが、亭主のお人柄を示し、貫徹した美を表して初めて成立するものでしょう。
建物は、柱、壁、天井、襖(障子)、畳など、数々の要素から成り立っており、
それぞれに一つとして同じものはない材料とまたそれが持つ格が存在します。
普請に際し主人はそれら材料を数々集め、撰び、取り合わせることで一つの美の空間が完成します。
それは全てが調和した、心からリラックスできる空間です。
数寄屋とは主人がとりわけ心を尽くして材料を数を寄せ集め、取り合わせた建物のことをいうのでしょう。
当店は建物の様々な材料のうち、金具・金物を取り扱っております。
特に茶室や数寄屋と言われるものは木や土、草など自然の素材が主でありますが、
最後取り付けられる金物はそれらとは全く異質な金属であり、空間にとても大きな影響を及ぼすものです。
最後におさまる襖の引手一つでがらり印象が変わってしまいます。
金物はその空間を引き立てることもありますが、逆に台無しにしてしまうこともあります。
襖の引手、引戸の取手、釘、引戸の鍵、これらは特に目に付くポイントです。
たかが金物でしょうか?されど金物でしょうか?
近代数寄屋の名建築を数見てみてください。
よくお分かりになると思います。
良いものを見極めることができることは大切なポイントです。
お洒落も同じです。
金物は家の大切なネックレスだと思ってください。印象を変え、その人を引き立てる大切なものです。
当店ではホームページ掲載しているも以外にも商品がございます。
お誂えも常です。一番良い方法にてご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
(襖の引手 江戸から明治)