和金物の色着け|本真綿拭
2016年7月22日 / 金物のはなし
当店の和釘や箪笥金物をはじめとする鉄金物は伝統的な「綿拭き(わたぶき)」にて仕上げております。
綿拭きとは鉄の錆止めと色揚げを兼ねた仕上げ作業のことで、この仕上げを施すことによって鉄は独特の黒を纏い、経年の美しさが格段に上がります。
それに欠かせない素材が「真綿」です。
画像:真綿の束
今では真綿のことを一般的な木綿の綿と同じものに思われる方がいらっしゃいますが、真綿とは蚕の繭から作られた綿、つまり絹の綿状に仕立てられたもののことをいいます。
この鉄と絹という全く異なる性質の2つのものが温度を加えていくことで非常によくなじみ、鉄は独特の綿拭きの黒になるのです。その上さらにいぼた蝋で磨き上げ出来上がりです。
「本真綿拭」では仕上がりの黒、ツヤ、古み方等本来の鉄金物の味わいが楽しめます。
当店では和釘、箪笥金具、手摺り受け金具、自在、暖簾掛けなどに採用しております。
ぜひお客様の目でお確かめになってください。