菜切包丁 その味
2016年8月19日 / 金物のはなし
一昔前までは家庭に必ず1本、菜切包丁がありました。
今はステンレスの三徳包丁が一般に普及していますが、
それ以前はこの菜切包丁が家庭の包丁の主役でした。
現代ほど食材も豊かでない時代、日々の食事といえば野菜や豆製品がほとんど。
家庭の包丁は野菜を切るための包丁である菜切包丁で十分な時代であったとも言えます。
菜切は薄い両刃の包丁。
繊維に細かくスッと入ります。
これが、味に影響しまして、三徳包丁では得られない確かな味を料理にもたらします。
特にそれを実感するのが千切りです。
繊維を正確にはっきりと断つその刃は食味に大きな影響を与えます。
現在でも越前市ではこの伝統の菜切り包丁が作られ続けています。
ぜひ、一度手にとっていただきたい包丁です。