和金物の色着け|宣徳色

襖引手「宣徳丸」(真鍮製)

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この引手は真鍮で出来ており、色つけ前はブラスバンドのように、顔も映るほどに光り輝いていたものです。

それを伝統の薬液で煮炊いて色を付けたものがこの「宣徳」色です。
「せんとく」と読みます。

その名の由縁は、中国明時代の宣徳年間に確立された技法によるためとも言われています。

真鍮の表面を磨き上げ、秘伝の薬液で煮てこの独特のからし色になります。

この色に仕上げるためには真鍮でも銅の含有率の高い真鍮を用いることが必要です。
銅の割合が一定以下になるとこの発色は生じません。

深みのあるこの色は木生地とよく調和し、
真鍮を磨き上げたピカピカのまま用いるよりも、この色の方がしっくりと馴染みます。

日本の美の感覚の一つでしょう。