金物と漆

漆を使った製品というと、まず思い浮かぶのはお椀などの漆器でしょう。
一番身近なものですものね。木地に漆を塗って研いでを繰り返して漆器ができていきます。

実は当店にも漆を用いたものがあるんです。
それは「襖の引手」です。

銅や真鍮を一打ちひとうち叩き形造った後、表面を丁寧に磨き上げ下地を作ったところに、漆を塗り温度を加えて漆を焼き付けるのです。木と漆は互いに同質のものなのでなじみが良いですが、金属と漆はそうはいきません。
温度でもって勤続と漆研いう異なる性質のものを結びつけるのです。

金物の伝統の仕上げ法です。
木を漆で仕上げたものを「木胎漆器」というのに対し、金物の場合は金地に漆で仕上げているので「金胎漆器」と言います。
つまり襖の引手はお椀などと同じ一つの漆器なのです。

うるみ玉子引手 襖引手 小澤金物店 和金物 和風金物
襖引手「うるみ玉子引手」

上の商品は「うるみ」という古来からの漆色を用いて仕上げた商品。
他にも当店商品で「黒漆引き」の襖の引手がございますが、これらも金胎漆器。

実は漆器だった金物の話でした。